ビタミンW:バックナンバーコンテンツ 61〜90
90.
もしすべてが叶うとしたら・・・
先日、神奈川のある高校のPTAご父兄を対象に講演をした。自分らしさを見つけるワークショップの中で、「5年後、どうなっていたいですか?」という問いかけをするのだが、「ただし、すべてが叶うとしたら、です」という条件をつける。一人のお母様から「いつも現実の延長線上での制約の中で考えていたので、これを聞いてホッとしました」という感想をいただいた。いまの自分の生活の続きで考えてしまうと、発想の転換や本当の自分を見失いがちだ。しかし、もしすべてが叶うとしたら?とたんに発想が貪欲になるはずだ。そして、そこにこそ、本当の自分らしさが埋もれているはず。まわりに笑われるようなことがいい。ちょっと考えてみませんか?もしすべてが叶うとしたら・・・
89. カッコイイおじさんたち
週末、代官山のライブハウスで「親父ナイト」なるものに行ってきた。仕事も家庭も持ったおじさんたちが中心のバンドのライブだ。久しぶりにそんなところへ行ったのだが、思いのほかよかった。何がよかったかというと、歌のうまい、下手ではなく、一人の男が、自分のしていることに納得して、存分に自分を表現しているところからくる心地良さだ。彼らが歩んできた人生、背負ってきた苦労、楽しみなどが彼らの奏でる音にのって流れてくる。弁護士の先生、難病の患者、ライブハウスのオーナー・・・。素人の音楽はいつも耳障りだと思っていたが、今回は違った。素直に喜べたし、染み入るものがあったのだ。飲んで管を巻いているよりよほどかっこいい。こんな素敵なおじさんたちがもっとたくさん増えてほしいものだ。(自分もそろそろその年代なのか・・・イヤまだまだ)
88. 「いいんだよ」という言葉
先日、テレビで繁華街で少年少女らに声をかけて歩いているある先生の話を見た。自分の学校の生徒でもないのに、行き場を失った彼らを気遣って声をかけ、何時ともなく深夜にかかってくる電話の相談にも、やさしく答えている。この先生は、相手がたとえ手首を切っても「いいんだよ」といったんそれを受け入れていた。これは並大抵の大人ができることではない。普通だったら「そんなことするな」と言葉がでるはず。相手をいったん受け入れ、そしてこれからに目を向ける。「いいんだよ」−の言葉に教えられた思いがした。相手をしっかり受け止められる言葉、ほかにどんなものがあるだろうか?
87. おかしいことはおかしいと思う
先日、K宅急便にメール便の契約を申し込んだ。12月までは最初に4千円の初期費用がかかったのが、200円の収入印紙でいいと言う。?と思って訳を聞くと、実はその4千円も印紙代だったそうだ。ということは、国に金を納めていたことになる。これはどうみても消費者にそのサービスを使わせまいとする意志が働いているとしか思えない。夜間に目薬を買いたくても、目の前に商品があるのにそれを買えない店舗がまだ圧倒的に多い。また裁判の費用もアメリカではほとんどかからないところを、日本では莫大なお金がかかる。日本という国は、すべてにおいて事なかれ主義。お上が決めたことは仕方ないと盲目的に従う姿勢が、もはや我々のDNAに組み込まれているようだ。ひとつの価値観の中にいると、違いがわからない。もっと自分が「おかしい!」と思う気持ちが大事だ。
86. 柔らかいオーラを出す
考え方はその人の外側にも雰囲気となってあらわれる。人間、30歳頃を過ぎると、だんだんこれまでの自分の経験から独自の価値観ができてくる。そこで妙に自信を持ってしまうと、まわりの人から見れば「扱いにくい人」になってしまう。仕事でたまにそういう人に会うと「この人には仕事を頼みたくないな」と思ってしまう。「これでうまくやってきましたから」「周りの人もこうしてますから」と言う人の考えを変えるのは大変だ。いまは柔軟さ・適応力が求められる時代。自分もなるべくソフトな、やわらかいオーラを出すようにしたい。
85. 辞書は聖書のようなもの
英語を教えていると、最近みな電子辞書を持っているのに気づく。「excitedの意味は・・・」と僕が紙の辞書をめくっている間に「あ、興奮させる、ですね」と声が上がる。僕は辞書を引くのは早いほうだが、電子辞書にはかなわない。たしかに知らない単語の意味がわかればそれでいいのかもしれない。でも僕にとって紙の辞書は聖書のようなもの。そこからいろいろな価値観や概念、感情、もののみかたを教わってきた。ページを開くとそこに必ず発見がある。それを学ぶのはひとつの儀式のようなもの。自分と向き合うための大事なツールだ。だから、僕は重い紙の辞書をリュックに背負い、今日も都内を駆け抜けている。
84. チャンスは向こうからやってくる
先日、ニューヨーク在住のスポーツジャーナリスト、瀬戸口 仁様とお会いした。彼は日本のメジャーリーガーを追いかけ取材をし、日本にホットな情報を届ける最前線にいる。実は光栄にも彼のほうからお声をかけていただいた。そんなスゴイ人がなぜ?お会いして開口一番その疑問をぶつけてみた。するとこうおっしゃる。「(私の)本を見ていて、将来はニューヨークなどで拠点を構えて動きたいって書いてあったから、お役に立てるかもしれないと思ったんです」これを聞いて、まず瀬戸口様のホスピタリティに感動。次に感じたのは「ああ、こうしてチャンスがやってくることもあるんだな」という実感だ。自分のしたいことを明文化して、人に言い、本やサイトに書いておく。するとそれを見た人が声をかけてくれることもある。自分から手を伸ばしても到底知合えそうもない人たち。そんな人からの思わぬ呼びかけに「人生の出会いって素敵だな」と再確認できた日であった。これで僕のニューヨーク行きが一歩現実に近づいたかな?
83. 新年のお願いは声に出す
初詣は済まされただろうか。日本式のお祈りは、願ったことを口に出さずに、そっと心の中で唱えるのがよいとされている。しかし、実際に、自分の夢を本当に叶えようと思ったら、それを言葉に書き、声に出して人に伝え、この世に存在させることが大事だ。すると夢が目標になる。さらにそれに日付を入れると計画となり、より現実に近づく。どうせお祈りするのなら、それを実現させよう。今年もよろしくお願いします。
82. 自分の柱は一本じゃなきゃだめか?
「いまの御仕事のメインは何ですか?」――最近よく聞かれる質問だ。「講演と、翻訳と、英語講師派遣です」と答える私。誰もが「メインはひとつ」という答を暗に求めているようだ。「ひとつに集中しないと大成しない」、これが世間の価値観かもしれない。でも同時にいくつかの仕事をすることのメリットもある。ひとつにこだわらないことにより、視界も広がり、相乗効果もある。またいまの時代、収入の間口を複数持つことでリスクヘッジもできる。どの仕事も、とても楽しいし、やっている私は真剣だ。だからいつも「はい、メインは3つです」と自信を持って答えている。いまにメインはひとつという価値観は、時代遅れになるかも知れない
81. 人の話を聞く
先日、ある自動車メーカーでコーチングについてのワークショップを行った。聞く、問いかける、伝えるなどのいくつかのスキルの実習をしたのだが、意外だったのは「聞く」ということの難しさを皆感じていることだった。視線を軽く合わせる、心を無にする、体を開く、うなずく、オウム返しにする・・・。すると「わざとらしい自分がいて、いいのかなと思う」「一方通行になっていないかといつも気になる」「途中で口をはさみたくなってしまう」などの声が上がった。人の話を100%受け止めることは難しい。私もいままで「次に何を言おうか」考えながら聞いていたのだ。でも、上に挙げたような、ほんの小さなことを意識するだけで、相手の「聞いてもらった」という印象は格段にアップする。あなたは人の話を、きちんと聞いていますか?
80. スェーデンからの来訪者
先日、スウェーデンからやってきた二人の若者の東京見物を手伝った。彼らはバックパックを背負い、メキシコを皮切りに、アメリカ、日本、タイと見て回ったあと、本国に戻る。
何か恐怖観念にかられるように、大学を出たらすぐ会社を目指す日本と違い、ヨーロッパ人の若者の多くは、仕事に着く前に1,2年かけて世界を見て回る人が多い。「就職したらそんな時間はとれない。若い時間のあるうちに、世界をこの目で見ておきたい」と彼らは口にする。
私は彼らの人生観に賛成だ。もちろん社会制度的な違いもあるだろうが、なにか人生を見る大局観、価値観の違いを痛切に感じた。ひるがえって私たち日本人の人生観は?何か近視眼的に目先のことばかり考えていやしまいか。もっと長い目で、俯瞰的に物事を見れば違った価値観が見えるはず。昔バックパッカーだった自分の血が久しぶりにザワザワした。
79. 自信を持って言い切る
先日、本田の浜松製作所にお邪魔して工場見学をさせていただいたときのこと。ラインで説明をして
くれた一人の職員の方がこう言われた。「うちのこのセクションの技術は、世界一です!」
日本人から、こんな自信のある言葉を聞いたのは久しぶりだ。この言葉で「すてきな職場だな」と感じ入ってしまった。
自信のある言葉は、聞いている人をも興奮させる。これがいまの私たちに必要な姿勢だと思った。「いやあ、僕なんて」「まあまあですね」というのが謙虚でいいと教育されてきた私たち。しかしそれでは自信はいつまでたっても生まれない。まずは言葉から、「言い切る」練習をしてみよう。
78. イタリア人のご愛嬌
ミラノでレオナルドダビンチ博物館にいった。
地下鉄を降り、階段を上がったところで、地元に住んでいそうなおばさんに声をかける。
「Dove il museo?」(博物館はどこですか?)
すると「ああ、まっすぐいって3つ目の角を右ね」「ありがとう」
そして角を曲がるのだが、何も見当たらない。「おかしいなあ」今度は通りのメガネ屋に入って聞いてみる。「ああ、それは駅に戻って2つ目を左だよ」と言う。なんだ、まったく逆ではないか!海外で道をたずねると、こんなことはしょっちゅうだ。100m進むごとに聞きながら、4,5人に聞いてようやく目的地にたどりついた。日本ではみな、ほぼ正しく教えてくれる。間違った道を教えるあのイタリア人たちの自信はどこからくるのだろう?でもこれもご愛嬌。それを楽しめるようになった僕は、少し成長したかもしれない。
77. 「大丈夫」を鵜呑みにするな
先日、N航空でイタリアまでいったときの話。我々の一行に人工呼吸器が必要な患者さんがおり、そのために特殊なバッテリーが必要だった。これは事前に確認しておく必要があるため、旅行会社のほうで同社へ事前に確認をとり、OKとの返事を得ていた。しかし当日、チェックインカウンターの目の前で三〇分近く足止めを食わされた。聞くと、機長がそのバッテリーの持ち込みについて、安全上の見地から客室へ持ち込むことを承諾しないというのだ。会社側とパイロットの見解が違うという事実に唖然とすると同時に、この件で学んだこと:たとえ相手から『大丈夫』と言われてもうのみにせず、最終責任をとれる人までさかのぼるべし。官僚的な組織は人が違うと答が違う。役所でもよくある話だ。最終的に迷惑を被るのはこちらだ。自分のことは自分で守ろう。
76. 僕のマニフェスト
いよいよ総選挙。早速私は不在者投票をしてきた。
今年はマニフェスト(政権公約)という枠組を民主党が持ち出し、それに刺激を受けた自民党もしぶしぶ対抗案を出した。これまでにない、一歩市民に近づいた試みで、評価したい。このマニフェストだが、これを私たち個人にも応用しない手はない。さて、あなたの公約はなんだろう?正月にのんびりと「今年はこうしたい」と希望的観測を言うのとはわけが違う。ためしに私も期限と数字を入れ「2004年は、講演を年間30本こなします」と書いてみた。これは人に見せずともドキドキする。自分事でもこれほどドキドキするのだから、菅さんなどはドキドキ×3くらいしているのではと想像する。でも、これはとっても効果がある。なんとかしなきゃと思うからだ。僕はさっそく個人マニフェストを財布に入れて持ち歩いている。
75. おとなしすぎる日本人?
月末、銀行にいくと、ATMの前には長蛇の列。だが待っている時間がない。ふと店内の奥をみると「公共料金振込用」のATMが。しかもそこは誰も使っていない。
こんなとき、私は何気ない顔をして、素早くATMでお金を静かに引き出し、待っている人を横目に銀行をあとにする。皆、奥のATMでも引き出せることを知らないのだろうか。それともあれは「公共料金専用だから」、そこにいかないのか。
ここまできちんとルールをかたくなに守る人種は、世界において日本人以外に僕は知らない。これはいいのか、悪いのか・・・。もう少し臨機応変に、自分で判断してもいいのでは?でもこんな僕って、人から見たら「あつかましい」のかなあ、と気になるあたり、僕もやっぱり日本人です。
74.人生のゲームオーバー
先日、親類のおじさんが亡くなった。80歳だった。仏前に座り、改めて『人は死ぬ』ことを実感した。自分の時間は無限ではない。「自分も40としたらあと40年だ。その40年で何をしたいのか?」そう自分に問いかけてみた。自分の人生に「game
over」がくるなんて若いうちは考えもしなかったが、最近ようやくそれを考える年になった。
僕たちのゲームは、知らぬうちにスタートしている。コインを入れたのは自分の意志ではない。そして「あと何分」という残り時間の表示もないまま、ゲームは突然終わる。
あなたの残り時間は何年だろう?今月でゲームが終わるとしたら何をするか?今週で終わりだったら?やり残すことがないよう、今日一日を楽しく生きよう!
73.すべてを自分でやろうとしない
私には才能がない、お金がない、経験もない・・・といって自分の夢をあきらめてしまっている人はいないだろうか。成功する人は、すべてを自分でやろうとしない。自分に足りない部分は、その力を持っている人を見つけてくればよいのだ。私も元はすべて自分でやらないと気がすまないたちだが、最近インターネットに関わる部分は、ある人にお願いをしている。すると自分でやるより数倍の効果が、半分以上のスピードで叶うのだ。その結果をみて少し考えが変わった。そう思うと、できないことは何もないはず。さあ、頑張ろう!
72.私の宝物
先週、気になっていた仙台での講演を何とか無事、終えることができた。今回は担当者の方々と何度も打合せを重ね、入念に準備をしてきた。だから、終わったときの感動もひとしおだった。150人もの人が自主的に集まってくださり、10人ほどがそのあとのワークショップにも参加してくれた。いま、手元に皆さんが書いて下さった一言感想文がある。何気なく発した言葉が相手の心をとらえていたり、予想外の反応があったり・・・。これは私の一生の宝物。これを見ていると勇気が湧いてくる。本当にありがとうございました。講演て、はじまるまではやめたくなるほど悩むけど、終わった後の達成感はもう生きていて最高の喜びだ。これからも一人でも多くの人が、自分を信じて一歩を踏み出す触媒となりたい。
71.逆の立場になってみる
ボンジョルノ!最近イタリア語を習い始めた私だが、いつもは英語講師として教える立場にいる自分が、まったく出来の悪い生徒になってしまった(笑)。しかし、これが楽しい。
たどたどしいイタリア語でしゃべりながら「英語を勉強している人はきっとこう感じているんだろうな」と久しぶりに彼らの気持ちが理解できた。短いフレーズが言えたときの喜び、全く聞き取れない不安、言いたいことが言えないもどかしさ・・・。
人は同じことを続けていると、自分のやっていることが見えなくなる。だからたまには意図的に立場を変えてみよう。1日でも上司と部下の立場を変わってみたらどうだろう。いつも命令している人も、命令されてみて、はじめて相手の気持ちが実感としてわかるのだから。
70.自分の目で確かめる
あなたは何を信じる根拠にしているだろう。テレビや新聞、人がそう言っているから、身近な友人がそう言っているから・・・。私はいつも、できるだけ自分の目でみて、肌で感じるまでは信じないようにしている。人から何か情報を得ても、その人は誰かから聞いただけで、自分の目では確かめていないことがほとんどだからだ。
私は仕事柄、英単語の和訳さえも信じていない。speech=演説、というように、該当する日本語をあてたのは福沢諭吉先生だ。その功績は大きい。しかし、彼も所詮は一人の人間。その一人の人間の解釈をすべて鵜呑みにしていいのだろうか。日本語にするときに抜け落ちてしまう微妙なニュアンスが必ずあるはず。だから英英辞書をみるのが一番いい。自分で判断する基準を持つ。それが世の中に振り回されないコツだ。
69.面倒なことに価値がある
編集者の方にお会いしていて、自分が光栄にも評価されていると感じるときがある。その理由をよくよく考えてみると「単身海外のブックフェアに乗り込む」「自分で本を探してきて持ち込む」という姿勢がアピールしているようだ。実際、海外の書籍を見つけてくるのは大変だ。山のような本から、売れそうなネタを探す・・・。編集者もつくるのに忙しくて探す時間がない。だからそれをする人に価値があるのだ。世の中、すぐできてしまうことは誰でもできる。面倒だなと思う仕事に大きなチャンスがあるのだ。今週はひとつ、面倒なことを新たなチャンスとしてとらえてみる一週間にしよう。
68.人をからめると仕事は進む
自分との約束はなかなか守れない。私も「領収書の整理をしなきゃ」「事業計画を考えよう」と思いはするが一向に進まない。しかし「明日までにA出版社の○○さんに企画書を出さなきゃ」「英語の生徒さんのプランは15日までだったな」―これらは進む。それは約束ごとに他人をからめているからだ。他人がからむと、自分の対面があるからやらざるをえなくなる。自分ごとがなかなか進まない人は、個人的な目標にも、他人を上手にからめてみてはどうだろう。自分の人生計画や個人的なタスクも、仲の良い友人に「これ、明日出来たら報告するから」と言っておき、できたら必ず会ったり、見せたりして報告する。こうすると自分ひとりの約束ではなくなるので、緊張感が生まれる。会社はあなたの仕事を管理してくれるが、あなた個人の人生は管理してくれない。他人をうまく利用しよう。
67.はったりの効用
A型乙女座几帳面の私は、この「はったり」をかますということができなかった。それはいけないことだと思ったからだ。でも、自分を変えようと思うと、ときには「はったり」は必要だ。初めて翻訳本を出すときの話。私は出してくれる出版社が見つかる前に著者に許可をとり、「日本で出します!」と言ってしまったので、もうやらざるをえなくなった。
いったからには、自分の全信用をかけてなんとかしなくては・・・。その思いが火事場の馬鹿力を引き出したのだ。
いつまでも快適ゾーンの中にいては人は成長しない。ときにはちょっと無理かな・・・と思うところで自分を試してみる。いまだ気づかぬ自分の力を引き出すために大いに「はったり」をかまそう!
66.自分をできる気にさせる
Do you speak English? 英語を難しいと思っている日本人はいまだ多いが、それはまず「英語は難しい」という思い込みがあるからではないか。そんな人は香港にでもいくとよい。同じアジア人なのに、みな当たり前のように英語を話している。発音や文法などめちゃくちゃだが、自信をもって話している。そんな中にいると「これはうかうかしていられない」「彼らにできて、自分にできないわけがない」という思いが湧いてくる。
なにか新しいことをするとき、一番大事なのは「自分をできる気にさせる」ことだ。そのためには、似たような環境で、すでにそれができている人達に会うのがいい。そこで受ける刺激ほどよく効く教材はない。独立したい人は独立した人に会おう。英語を話したい人は、英語を話している日本人と話そう。あなたは難しいという前に、「できる気」を作っていますか?
65.断ることでチャンスは広がる
仕事をしているとたくさんの話が舞い込んでくる。自分は基本的には「いい人」でいたいし、フリーで仕事をしている以上、せっかくの依頼を断りたくない。時間の許す限り、頼まれたからにはお役に立ちたいと思う。しかし、それを続けていると、自分の軸があやふやになってくる。
せっかく声をかけてくれた話にノーをいうのは勇気がいる。でも、そうすることで自分の守備範囲が明確になってくるし、そのあとでもっといい仕事がきたりする。思い切ってこれはできませんと言える自分になろう。「NO」は自分の可能性をせばめるのではなく、広げるための魔法の言葉なのだ。
64.「何のためにそれをするのか」
先日ある会社のプロジェクト企画会議に参加したが、5時間もかかった。原因は「どうやるか」の手段にばかり時間をかけ「何のために」という根本が議論されていないからだった。
そこがしっかりしていないと、必ず先にいって迷走する。
私はいつも「何のためにこれをやるのか」を書き出し、それを眺めてストンと腑に落ちるかどうかをじっくり推敲する。本来はこの「何のために」ありきのはずなのだが、仕事をしていると、関係者の利害関係をすりあわせようとするため、これがずれてしまうことがよくある。仕事の中身や方法や飾りつけを考える前に、まず「何のためにこれをやるのか」、そこをつきつめて考えよう。コンセプトなき仕事は必ず失敗する。
63.自分をプロデュースする
私の仕事は「自分が商品」だが、これがなかなか楽しい。商品企画やイベントをプロデュースするより数段楽しいと思っている。なによりも自分を前向きに、アクティブにとらえることができるからだ。どうしたら自分という「商品」を人が買ってくれるだろうか。人と差別化できる経験や知識はあるか。人が自分に期待していることは何か。
こうして「自分を売り出す」という視点にたつと、自分の持っている要素すべてがプラスに見えてくる。だれでも自社の商品を売り込むときは、何とかしていいところを見つけてアピールしようと思うはずだ。私は独立してこの視点を持ってから、マイナス思考がなくなり、自分のコンプレックスもなくなった。自分の賞味期限が切れるまえに、早く自分を売り出そう!
62.空気を変える
講演をしていて、反応がいまひとつのときがある。打てども響かず、エネルギーを奪われるような感覚だ。僕はそんなとき、なんとか相手を笑わせたり、興味を持たせようとしてしまうが、ある先生は「そんなときは思いきって空気を変えるのよ」と言われた。「チョット皆さん、大丈夫ですか?」「全然反応がかえってこないわ」など、相手にショックを与えるやりかただ。それにより、相手はハッと気づいて、そこから空気が変わることが多いのだそうだ。
この「空気を変える」という行動にはちょっとした勇気が必要だ。場の雰囲気をこわしはしまいか、相手に逆に反発されないかなどと心配してしまう。でも自分が感じたことを素直にぶつけると、人にはビンビンひびく。下手な小細工をするよりもよほど効果がある。皆感じているがそのままになっているとき…。その場を変えるのはあなただ!
61.出会いは自分から取りにいく
いまお付き合いさせていただいている人の中には、「もしあのとき自分からコンタクトをとっていなければ…」と思える人が随分いる。もらったメール、パーティでの出会い、通りですれ違う、はては電車の中でも…。ちょっとした自分の勇気が、自分の人生を豊かにし、広がりをもたらす。私はいつも「ずうずうしいかな、恥ずかしいな」という声と、「ええい、声かけてみよう」という声との葛藤があるが、前者の声に負けず、自分から相手に向かっていくと、そこからチャンスは広がっている。
出会いは待っていてもやってこない。人には偶然出会うのではない。何気ない出会いをものにするもしないも、自分のちょっとした勇気だ。何事も自分からつかみにいく姿勢が、自分の日常を変える。
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