ビタミンW:バックナンバーコンテンツ 91〜
127.
朝日のパワー
先日、茨城に講演でいくため朝6時に家を出た。この時間なら余裕で座れるだろうとタカをくくっていたが、なんと席はもういっぱい。そこで仕方なく立って車窓を眺めていると、あざやかなオレンジに輝いた太陽がのぼってくる。「おーなんと美しい!」一気に眠気も吹き飛んだ。朝日って、人を元気づける力があるんですね、きっと。朝にしか感じれないこのパワー。たまには早起きもいいもんですねぇ。(毎日だとチト辛い・・・)
126. 歯ブラシで感動!
先日、講演で岩手県久慈市のほうへ伺った。到着して担当の職員の方に案内され、すぐ控え室へ。開始まで時間があまりないので、バタバタと挨拶やら準備やら・・・。昼食をとる間もなかったので、少しお腹がすいたなあと思いながらふとみると、机の上には大好きな御寿司とコーヒーのパック。「おぉ!」「先生、コーヒー好きだと伺ったもんですから・・・」そしてさらには歯ブラシセットまで置いてくれている。この人たちはスゴイ!きっと私のホームページのプロフィールを読んで、気を使っていただいたのだろう。また歯ブラシまでご用意いただいたのは初めてだ。とことん、相手がどうすれば気持ちよくなれるか、それを教えられてしまった。会う前に相手のことをよく調べ、何があったらいいかを考える。こんなホスピタリティを受けたら、嬉しくありませんか?
125. 地震
最近、台風、地震などのニュースが多い。普通の生活が一瞬にして崩れてしまうその様を目にして、ショックを隠し切れない。9・11のときもそうだったが、仕事があまり手につかなくなるのは、きっと私だけではないだろう。天災は、怒りの矛先を向けるところがない。それだけにやりきれない
思いでいっぱいだ。命があれば何でもできる。ぜひ頑張って立ち直ってください。いつ、災害が東京に起きるとも限らない。今日出来ることは今日やっておこう。そう思う最近である。被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。
124. 問題解決力
最近、パソコンのトラブルに向き合う時間が多い。ウェブページが思ったように表示されなかったり、パソコンが落ちなかったり。そんなときの問題解決のプロセスが、案外嫌いではない。問題が起きたら、まずその切り分けが肝心。うまくいっている行はどれか。そこをコピーして、動くかどうか。こうして何とか乗り越えたときの充実感は最高だ。何度あきらめようと思ったことか。この「問題解決力」の基本は「うまくいっているパスを見つける」ことにある。これは人生でも同じ。まず自分の何がうまくいっているのか。そこから紐解いていくと、道は案外早くみえるようだ。
123. 本当の自分なんてない
養老先生の講演を聴いた。「本当の自分なんてない」という話。皮膚が次々と生まれ変わっていくように、自分は常に変化するものだ。しかしみな、変わらない自分があると思いこみ、自分探しを始めたり、自分にあった仕事を見つけようとするが、そんなものありゃしない、と先生は言う。まったく同感。思い込み、錯覚、常識・・・。そんなもので勝手に自分の世界をつくっている私たち。それらを常に疑ってかかる勇気を、いつも持ちたい。
122. 気持ちの構え
イチロー選手が歴史的記録を塗り替えた。誰でも知っているように、彼がバッターボックスに入るときの儀式がある。バットを前に掲げ、背筋を伸ばし、構える例のフォームだ。毎回同じ位置に、頭や目線をもってくる効果もあるだろう。それと同じことは、心の中でもできる。毎朝、家をでるとき「自分は必ず、○○をやるぞ」と念じてみる。すると心の構えができてくる。そうやって日々の心のブレをなくしておこう。自分なりの「構え」、持っていますか?
121. お城
最近、司馬遼太郎の歴史小説にはまっていることもあり、先日、講演の帰りに岡山城にいった。歴史を知ってから現地にいくと、その感動ひとしおである。遠い戦国の世に思いをはせるのもよい。岡山城の外壁には当時黒漆が塗られ、からすの濡れ羽色に似ていたため「烏城(うじょう)」と呼ばれていた城だ。しかし、中に入って少々がっかり。というのもコンクリート作りなのだ。創建時の城は第二次大戦の戦火で焼けてしまい、昭和40年に再建されたそうだ。あたりまえだけど、当時のまま残っている城って数えるほどしかないんですね。僕がみたいのは当時のままの姫路城、松本城(ともに国宝)など。貴重な文化遺産でもある日本の城。みなさん、どこかいいお城ご存知ですか?
120. タクシーはガソリンで走らない
皆さん、タクシーってプロパンガスで走ってるの知ってました?ガソリンじゃないんですよ。LPGという天然液化石油ガス(家庭のプロパンと全く同じ成分)を使っていて、後ろのトランクを開けたら目にするプロパンタンクからガスを気化してエンジンに注入しているんですって。でもエンジンはガソリンのと全く同じだそうです。車ってガスでも走るんですね。いままでずっと、トランク内のタンクをみて「?」と疑問に思っていた僕は、何気ない運ちゃんとの会話でそれが解明し、なぜだかすごく嬉しくなりました。皆さんにもありませんか?ずっと謎に思っていたことがふっと解けた瞬間。わからないことがわかるのって、楽しいですね。
119. ステキな社長さん
先日、長野県のナガオカ製作所で講演をさせていただいた。プリント基板の搬送システムを作っている会社だ。社員50名に向けての全体研修だったが、そこの社長さんがとてもステキな方だった。まず、まったく偉ぶったところがなく、腰が低い。社長自らタクシーの扉までおいでになる。講演中も、社員の方に交じって一緒にパズルをやっている。前の席で率先して話を聞いてくださる・・・。ほんの短い時間しかお話しできなかったが、「この人のところで働いたら気持ちいいだろうな」そう感じさせるものをお持ちだった。人がついていくリーダーは、何もゴーンさんみたいなタイプでなくてもいいんだ。とてもすがすがしい気分で長野を後にしたのでした。
118.
原付バイクは難しい
僕は大型自動二輪の免許を持っている。教習所でとれるようになる前に試験場に通って取った、汗と涙の結晶だ。だからそれなりにプライドもある。バイクの違反はいままでひとつもない。が、しかし・・・。先日原付バイクで気持ちよく、右折したところ、「ウ〜」とサイレンが後ろから。「へ、何か悪いことした?」「こんにちは。そのまま曲がっちゃだめだよ。免許証」なんと二段階右折というやつをしなくてはいけないらしい。知らなかった。その2週間後。今度は目の前のバスが遅いので、ウインカーを出して右からスーッと抜いていくと・・またもや「ウ〜」「?」「こんにちは。原付は右側斜線走行禁止ですよ。ハイ免許証」ガーン!!そんなこと全く知らなかった。原付って難しいなあ。そんなわけでこの1ヶ月、2枚もキップを切られてしまった私。ちょっと落ち込んでいます。
117. 女性がスーツケースを抱えていたら?
メキシコン・アメリカンの友人に久しぶりに再会し、彼女が日本を訪れたときの話になった。「駅の階段を、重いスーツケースを持ち上げようとしていたとき、誰も声を掛けてくれなかった。メキシコやアメリカでは考えられない」これを聞いて、少しショックを受けたが、その理由として僕はこう答えた。「みんな、恥ずかしがり屋で、それに言葉が通じなかったらどうしようって思うんじゃないかな」でも、荷物を持ってあげるのに言葉はいらないはず。私たちにとっては、相手を助けるよりも「自分が恥をかかないこと」が大事なのか?海外からの旅行者にとっては、ほんのわずかな滞在の間に会った人、起きた出来事が、「日本」そのものの印象になる。少しでも気持ちのよい思い出を持ち帰ってもらうためにも、困っていそうな旅行者をみたら、ぜひ声をかけ、手を貸してあげよう。あなたが、彼らにとっての「日本人」なのだから。
116. 車内のおばあちゃん
先日、倉敷のほうへいったとき、席の向きあうローカル線に乗った。「すみません」と声をかけ、おばあさんの向かいに座る。小さなリュックは膝の上に、ころがすキャスターバックが大きいので通路に。ふと通路のキャスターの中の物を出そうとするも、駅についてからにしようと思いなおす。
すると僕の気持ちを察したおばあさんが「私、次で降りるから、ほら、ここに置きんさい」とお尻をずらしスペースを作ってくれる。そして別れ際に「ほな、さいなら」こんなちょっとした心づかいが、都会っ子の僕には身に染みて嬉しかった。こういったあたたかさを感じさせてくれる田舎のよさよ。いつまでも変わらずにいてほしい。
115. 自分しか頼れない
シアトルでレンタカーを借りたときのこと。「I5(高速道路)で北へ向かうには?」と聞くと自信満々に「ああ、次の交差点を左だよ」と教えてくれる。「Thank
you!」と御礼を言い、その通り進むと「I5-South(南)」との看板が。あやうく南下するところだった。アメリカにいくといつも感じるのは、「信じるのは自分しかない」ということ。モールでお店を訪ねても、正反対だったり、空港のチェックインカウンターであと2時間もあるのに「1時間前だからすぐいきなさい」と言われたり・・・。まず彼らの言うことを鵜呑みにしないほうがよい。自分の目で確かめよう。海外にいくと、自分の全細胞が目をさますように思うのは、こういう緊張感があるせいかもしれない。
114. 20年目の同窓会
昨日、シアトルから戻った。20年目のハイスクールの同窓会に顔を出してきた。(向こうでは10年ごとに開かれる)20年ぶりに見る顔。皆、髪の毛はうすくなり、ぜい肉もついているが、面影は当時のままだ。時間が巻き戻り、昔の思い出話に花が咲き、あっという間の2日間だった。胸がきゅっとなる、なんともいえない時間を味わった。1年という短い期間の留学だったが、できるだけいろんな活動に参加し、フットボールをし、バンドでドラムをたたき、頑張った結果が20年経ったいま、目に見えない形の財産となっている。「あのとき、恥ずかしがらずに声をかけてよかった。参加してよかった」と当時の自分に本当に感謝!
113. あと一言足りない
例1:いきつけの美容院に電話をしたときのこと。「あ、あの○○さん、今日は出てますか?」「今日はお休みさせていただいてます」「?」
例2:スタバで店員との会話。
「あの、流しの石鹸、押してもでてこないよ」
「あ、あれこわれてるんで」「?」
どちらもあと一言足りないのだ。
例1⇒「今日は休みですが、出社は金曜からです」
例2⇒「こわれてますので、これをお使いください」
この「あと一言」があるかないかで大きく違う。
相手が何を欲しているのか、そこまで考えて言葉を返しているか。人から一歩抜きん出るには、実はこんな小さなことがとても大事だったりする。日々の「あたりまえ」の仕事の中に、自分を飛躍させるヒントあり!
112. 自分のピットイン
先週、今週と時間の余裕があったので、これまでほっておいた作業をしてみた。普段は次から次へと仕事で追われて、前しか見れないのがほとんどだが、それが続くと次第に息切れしてくる。そこで、F1のレースのように、ちょっとコースから外れてピットインだ。サイトの内容更新、会計データ処理、講演内容の吟味などなど。「よし、本屋にいって新しいデザインを探そう」「去年より頑張ってるな」「受けたフレーズはこんなのか・・・」と不思議なもので、またやる気がわいてくる。休暇をとって仕事のことを一切考えないのも大事だが、同時に「自分が何を成し遂げたのか」、それを整理し、自分を認め、次なる改善点を見出す時間ももっと大事だ。これをしないから、休みで気分転換しても、仕事に戻って2,3日もするとすぐまた充電切れになってしまう。夏休み。バカンスもいいが、自分のピットインを忘れずに。
111. 贈り物
私の実家は、父が百貨店にいたこともあって盆暮れの贈り物が非常に多い。かつての取引先などからあらゆるものが届く。いまでこそ現役を引退したのでその数こそ減ったが、現役時代は大変だった。玄関に日々、荷物が山積みされるのだ。ビール、のり、サラダ油、そば、日本酒、ゼリー、佃煮・・・。これらはまだいい。大変なのは生ものだ。クール便などで、魚、カニ、エビ、ホタテ、肉、フルーツなどあらゆるものが届く。そして生ものはすぐ処理しないといけないので、母がその都度スーパーの魚屋に駆け込んで処理してもらったり、近所に配ったり・・・。母も参ってしまう。こんなことをいっては、バチが当たりそうで、また相手に失礼かもしれない。それを十分承知の上で言わせてもらえば、私自身はあまりありがたみを感じていない。そうやってこちらを思ってくれる心があるなら、せめて手書きのカードをいただけませんか。海外ではカードが最高の贈り物ではないか。心のこもったメッセージは、高級伊勢海老より嬉しい。やはり形あるものを贈らないと「カッコウ」がつかないと思うのが日本人の性なのだろうか。
110. ようやく見えてきた日本の真実
民主党が躍進し、自民党が苦戦した今回の選挙。今回の結果は、明らかに「このままだとまずいんじゃない?」っていう民意が聞こえている気がする。一党が何十年も与党であり続けるなんて、世界で比べても普通じゃない。大手企業の不祥事、行政各省の手落ちなど、社会の出来事をみていると、これまで「固い」といわれてきた価値観が、音を立てて崩れていっている気がする。いまこそ自分が信じてきた価値観を、いま一度疑ってみるときだ。企業、スポーツ、行政・・・まだまだ思想は鎖国状態のところが多い。ようやく顔を出し始めた日本の社会の真実。しっかり判断する目をもとう。
109. 実行する人は3%?
講演先や機会あるごとに「まずは電話をかけてみたら?」「自分でサイトを作ってみたら?」と提案しているが、実際に実行に移す人は、全体の3%に満たない気がする。皆、心のどこかで「いまさらやっても・・・」「失敗したくない」という思いがあるのだろう。何を始めるのにも遅いことはない。サイトを自分で作れなくても、ヤフーのブログなどを使って、好きなゴルフのコミュニティサイトを始めたある女性がいる。「難しいことわからなくて・・・。でもとにかくゴルフが好きで、ちょっとずつでも日記を書き始めたら、どこからかそれを見てくれる人がいて、もうホント嬉しくて・・・」彼女が偉いのは、とにかく「始めて」みたことだ。日々、アクセスが増えているらしい。ことを難しく考えるより、パッと動ける人のほうが、チャンスをつかみやすいもの。自分も「10考えてから行動する」人だったが、いまは「3考えてまずは動く」に変えている。失敗してもいいじゃない!恥をかいてもそのときだけ。大きなゴールを目指して、体をまずは動かすことだ。
108. 人の可能性を引き出す―その3
前向きの期待をし、責任を与える。その次に必要なのは、「フィードバック」だ。それもできるだけその場で。これは相手を攻めるためではない。実際どうだったのかを客観的に本人に伝え、よかったら大いに誉め、改善すべきところがあれば「次はこうしたら?」と相手を励まし、応援する。子犬も誉められて芸を覚えるのは、すぐにその場で誉めてやるからだ。フィードバックはできるだけその場で行う。相手が感情的になっているときには落ち着いてからがよいだろう。期待、責任、フィードバック、この3つのサイクルならシンプルで覚えやすい。自分のことばかりにならず、たまには部下に、子どもに、同僚に意識を向けては?あなたにできることはたくさんある。
107. 人の可能性を引き出す―その2
二つ目のキーワードは「責任」だ。「この人ならできる」と期待したら、次に「この仕事をやってほしい」と相手に責任を持たせよう。そして、相手が目標、計画を立てるのをサポートしよう。丸投げするのではいけない。また、こちらが指示するのでもいけない。できるだけ、当人が考えつくよう、相手を巻き込んでいく。難しそうだったら、ちょっと助け舟を出す。失敗しても、それは相手を責める場ではない。何をすべきだったか、次はどうすればよいのか、それを学ぶ場なのだ。相手が自分の責任をまっとうできるよう、そっと見守る我慢が大事。期待され、責任を与えられると、人は動く。さあ、それをさらに強化する3つ目は?
106. 人の可能性を引き出す―その1
自分でなく、まわりにいる人の可能性を引き出したい――常々、そう考えている人は多いのでは?部下、子ども、チームメンバー、夫や妻など、きっとそう思う人がいるはず。そのために必要なことを三つだけ覚えておこう。まず一つ目は「前向きの期待」を相手に対して持つこと。「高い期待」ではない。「来月は今月の2倍売ってこい!」と部下にハッパをかけるのは高い期待だが、「きっとあいつはやれる。俺はあいつを信じている」というのが前向きの期待だ。期待の力は人を成長させる。先生が教室の生徒から無差別に「できる子」を指名して、期待をかけたところ、その生徒達は本当に成績を伸ばしたのは有名な研究結果だ(ピグマリオン効果)。どれだけ失敗しても、相手の可能性を信じてあげる――「大丈夫、きっとできるよ」――そういえる親に、上司になろう。
105. 自分の目、耳、手、足で確かめる
梅雨の季節ですね。6月は水無月(みなづき)ともいいます。「え、水がないだって?こんなに雨が多いのに・・・」実は「無」という字は「の」と言う意味(助詞)で、「田に水を引く水の月」という意味なんですよ。お恥ずかしながら、最近まで知りませんでした:;どんな小さなことでも、「自分の手、目で確かめる」ってことって大事ですね。人から聞いた話だと、自分のものにならない。聞き手はそれを敏感に感じ取るもの。日々こうしている人とそうでない人の差は、長い年月を経ると歴然としてきます。仕事でもそう。「いまさら人に聞けないよ」って思ったら、自分で調べるクセをぜひつけたいものです。
104. 落語がよその国にない理由
先日、とある噺(はなし)家の先生との会話。「先生、落語に似たようなのって、ほかの国にはないんですかね?」「きっとないですね」「え、どうしてですか」「それはね、ほら、たとえば”おい、安吉、茶を入れてはくれねえか" ”へい、かしこまりました、旦那”といった瞬間、私たちの頭の中には二人の上下関係、生活の様子などがありありと浮かんでくるでしょう?日本語っていうのは、それほど言葉に種類があり、また1つの言葉に情報が詰まっているんですよ。死ぬ、亡くなる、御崩御、他界する、などそれは英語のdead,
pass away に比べたら、その種類は山ほどある・・・。それだけ豊かな文化なんです。だから英語でやろうとしたら、誰がしゃべっているのかをその都度説明しなくちゃいけない」これを聞いて、目からウロコが落ちた。改めて日本語の素晴らしさを痛感した。日本人として、誇らしく思った。
103. 勇気のお返しは必ずある
先週、お二人の活発な女性から相談を受けた。二人とも、自分がいまやっていることがあって、それを仕事にしたいという。一人の人は、まったく面識がなく、ネットサーフィンしているうちに私のサイトにたどりつき「これは!」と思ってくれたらしい。そんなとき、多くの人は「メール出しても返事なんかこないだろうし」「忙しい人だし」
と勝手に決めてしまう。しかし、彼女達のえらいところは、とにかく動いたことだ。私は、時間の許す限り、こういった人たちに会って話を聞こうと思っている。動いてみると、案外会ってくれたり、人を紹介してくれるもの。相手の人は、普通の人がしないような行動を起こした勇気に、動かされるのかもしれない。まずはやってみよう。思いがけないプレゼントが待っているかも?
102. 環境が変われば考え方も変わる
考え方は習慣だ。理屈でわかっていても、これまでの習慣が染み付いていてそう簡単に変わるものではない。一番いいのは、環境を変えるだろう。その意味で、海外にいくのはとても効果がある。普段当たり前と思っていたことが当たり前でなくなるからだ。そのため、無意識でやっていた行動すべてに意識が向く。電車やバスの乗り方、デパートでのトイレの場所、店員がおつりをくれる返し方・・・。昔、インドに貧乏旅行をしたあとに帰国して、蛇口をひねってお湯が出たとき「すごい!」と感動したのを覚えている。当たり前を当たり前と思わない感覚が、新しい発想の原点だ。
101. 自分の時間割を!
小学校にいるときは、50分授業、10分休みで、一日に6科目も勉強していた。いま考えると、何と効率のよいことか!アメリカの陸軍では、鍛えられた兵士たちを調査したところ、ひたすら行軍しつづけるより、一時間ごとに休憩を入れたほうが、精神的にも、体力的にも長く持続することがわかり、実際そうしているそうだ。会社には時間割はない。個人で仕事をしている人はなおさらだ。私もつい時間を無駄にしてしまうので、自分なりの時間割をつくっている。3時〜英語の予習、4時〜講演
の準備、そして5時〜翻訳、というふうに。すると少しずつでも仕事がはかどり、安心する。それにしても、小学校の頃の時間割にはかなわないなあ・・。週に4日は強制的に体育があったし。いま日中に、仕事をおいてトレーニングウエアに着替え、走りにいくは何と難しいことよ・・・
100. 決めて動くのではなく、動いたら決まる
「はじめにこれだっ!っていうのがあって会社を辞めたんですか?」と良く聞かれるが、そうではない。人の話や本を見ると「まず最初にすることを決め、それに沿って行動せよ」とあるが、現実はそうカッコよくは進まない。僕の場合は、はじめから「よし、講演、翻訳をやるぞっ」と決めて会社を辞めたのではない。わかっていたことは「自分の好きなことをやって生きよう!」、これだけだ。そして、感性に素直に、行きたいところに行き、会いたい人に会っていくうちにやっと自分の目指すものが見えてきたのだ。頭の中に答はない。現実の中に答はある。動いていれば、やりたいことが見えてくる。
99. 一番の親友は自分
「どうしてそんなに自信があるのですか」と最近よく聞かれる。「「成功されているからでしょうか・・・」とも。答はNO。自信のあるないの違いを自分なりに振り返ると「自分らしくあることを許してあげるかどうか」だ。僕もずっと人や世間に評価されるよう、自分を合わせて生きていた。だから仲間と比べ、不安になった。でも「自分のすべてを受け入れよう。そして自分が納得するやりかたで生きよう」と決めたとき、人と比べる必要がなくなり、自分を好きになり、自信が持てた。こういう質問をする人の顔はいつも同じだ。「自分をどこかで好きじゃない、受け入れていない」のだ。自信を持つなんて、経験や成功じゃない。いまの自分にOKを出してあげればいい。「自分がもう一人いたらいいのにな」―そう思えるかどうか。一番の親友は自分だ。
98. 私ってスゴイ!
私たちはつい、自分を卑下してしまいがちだ。「やっぱりだめだなあ」「力が足りないなあ」・・・しかしこういった心のつぶやきが、むざむざ成功の芽を摘み取ってしまっている。
もっと自分を誉めてあげよう。僕は講演の準備がはかどらずによく悩むが、少し明るいきざしが見え出したとき、「俺って天才かも。これは絶対いいのができる!」と自分で自分を誉めている。するとだんだん気持ちが乗ってくるのだ。前の会社のオーナー社長も、いつもぶつぶつ独り言のように「たいしたもんだよな、俺は」と自分を誉めていた。昔、有森裕子さんが言った。「自分で自分をほめてあげたい」と。言語学者に言わせると「ほめてやりたい」が正しいそうだが、自分を最大限に賛辞するには、「自分をほめてあげる」のほうがいい。さあつぶやこう。「私ってスゴイ!」
97. 「自分の名刺」
「やりたい仕事がないなら、自分の名刺を作って仕事をすれば?」3年ほど前、私が授業を持っているスクールのクラスに、当時ミス日本に輝いたAさん
がいた。彼女は当時、やりたい仕事がないのですと言っていたので「なら自分の名刺を作って、仕事を自分で作ればいいよ」、そんなことを言ったのを覚えている。あれから3年、久しぶりに彼女にお会いしたので「覚えていますか?」と声をかけたら、肩書きのない自分の名前が名刺を出して「先生、自分の名刺って言ってましたよね、ほら」と渡してくれた。彼女はその後、CMのモデルなどを経て、今度映画デビューが決まり、女優の道を進むことになった。会社にいると、名刺や肩書きって「頂くもの」だけど、自分で勝手に作ってもいいのだ。何かやってみたい人、とりあえず肩書きのない自分の名刺を作ってみよう。何かがはじまるに違いない。
96. 一瞬の重さ
オリンピックの水泳、オーストラリア代表選考会でイアン・ソープが一番得意種目、400m自由形の予選で失格となったのはショックだった。幸い、ほかの種目では基準をクリアし、アテネには行けることにはなったが、同種目への出場はできなくなった。4年と言う歳月を、彼らはこの一瞬にかけている。そこでまさかフライングになるとは・・・。この一瞬の重さを彼は教えてくれた。また日本のマラソンでも、高橋尚子選手がほんの一試合の調整ミスをきっかけに、代表の選考からはずれた。私たち一般人でも、日々築き上げてきた信用が一瞬にしてくずれることがある。これから暖かくなって、気がゆるむ季節だが、もう一度心の紐をキュッとしめよう。
95. 便利がすべてではない
ミラノでお世話になったガイドの川倉さんが先日、帰国したので少しお会いした。「日本人は便利さをとことん追及しますよね。でもイタリア人は違うんです。たとえばウォッシュレットって、便利でいいと思うのに、彼らにはビデがあるから、それでいいって言って、そういったものをなかなか受け入れようとはしない。保守的というか・・・」
便利と新しいのが一番という価値観の中にいる日本人。古い建物はどんどん壊し、日本はいまやほとんどの町の個性がない。便利なのもいいけど、それがすべてではないことを覚えておきたい。ふとイタリア人の価値観にふれ、そんなことを思った。
94. 任せたくなる人
いま、私が運営している英語講師派遣ビジネスで、最も多忙な先生がいる。彼は留学経験もない、社会経験もない、発音もいまひとつだ。だが私が最も頼りにしているのは、そのコミュニケーション力の高さゆえだ。彼は相手のために頑張るという姿勢を見せ、一生懸命にやってくれる。電話のレスポンスは早いし、頼んだことは確実にやってくれる。こんな人は一緒に仕事をしていると、気持ちがいいし、仕事も任せたくなるものだ。世の中が厳しくなるほど、皆資格試験に走りがちだが、それよりも大切なのは相手を気持ちよくさせたり、当たり前のことを人以上にすることではないか。資格より、人としての魅力をつけよう。
93. 人と比べてもうまくいかない
私がうまくいかないとき、それは自分と向き合っていないときだ。つい人のことが気になり、「あの人はこんなに講演している、あの人はまた本を出している・・・」そして自信をなくす。で、かえってあせってしまい、何も手につかない。では、うまくいくときはどうか。うまくいくときの自分は、自分の見つけた切り口や考えたアイデアに夢中になり、黙々と自分の中でそれを膨らませる。ほかの人と比べる意識はない。自分と対話し、形にして行動する。振り返ると実績になっている。どれだけ本屋を探しても、結局欲しいものは見つからない。自分の中にあることに気づくのだ。人と比べてもうまくいかない。自分としっかり向き合おう。
92. 思いを動きに変える
最近、「本を読みました。自分も何かやろうと思って、メールしました」というメールをちらほら頂くようになった。これは、こういった行動を取らなかった人が、「よしっ私もやろうっ!」と思い立って実際行動に移すようになるのだから凄いことだ。こうして決めたことをする練習を積むうちに、自分の意志に自信が持てるようになる。思ったらまず行動だ。どんな小さなことでもいい。「2年後にポルシェに乗りたい」と思ったら、カタログをもらいにいく。本を書いてみたいと思ったら、とりあえず1行書いてみる。頭の中で終わらせないで、手や足を動かす。この小さなことをするかしないかで、3年後、5年後に違いを生む。思ったらとりあえず動いてみよう。そこから次の現実が見えてくる。
91. 伝わるのは簡単な言葉
講演の原稿を考えていると、いろいろな思いが湧いてきて、つい考えをこねくり回したくなる。でも講演後の感想を見ていると、聞く人に入っているのは「いまの私は十分」「できないことよりできること」「現実は問題ではない」などというシンプルなメッセージだ。どうやら人は、難しい言葉をいうより、簡単な言葉を投げかけたほうが、自分なりにそれを解釈しやすいようだ。考えをシンプルにまとめるのは、時間のかかる作業だが、それはする価値があることだ。私はいつもできるだけ「要はなんなわけ?」という自問自答を繰り返している。無駄な言葉を一〇しゃべるより、切れ味のいい言葉をひとつ発せられるようになりたい。
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